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自作小説とテキスト置き場です。 よかったら見てください。
人殺しの子供と呼ばれて
2010年04月22日 (木) | 編集 |
中学校の国語の時間に、父親の職業について書く作文の授業があった。
クラスのみんなが作文に執りかかっていると、後ろから女の子のすすり泣く声が聞こえた。
思わず先生が駆け寄る。
どうやら、彼女を慰めているようだ。
彼女の父親はすでに死んでしまったのだろう。
クラスの空気がひどく重くなる。

皆、体はノートに向っているが意識は上の空だ。
そんな中、僕はノートに
「父親は殺人鬼です。」と書いた。

父親は産婦人科医であり胎児を殺す毎日で、僕は命の尊さに目覚めた中二病真っ盛りの少年であり、父親と確執があるだとか
父親は刑務官で死刑執行のボタンを押す仕事だとか、
父親は裁判官で死刑を言い渡す仕事だとかそういうことでは全くなく、
ただ単に、父は人を殺してしまい、僕たち家族は世間から迫害されているだけだ。
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